第11話 ついにインドへ

ハーモネイチャー20周年となった2019年の11月、インディラ ガンディー国際空港に降り立っていました。
ACEというNGO団体が展開している「オーガニックコットン栽培を通じて児童労働をなくすピースインドプロジェクト」の視察ツアーに参加するのが目的です。

ハーモネイチャーは、オーガニックコットン衣料製品の販売を通じて、オーガニックコットン栽培を促進し、土壌改良や労働環境の改善など、地球環境への貢献を微力ながら続けています。
しかしながら、オーガニックコットン栽培の現場を訪れることがなかなかできず、機会があればぜひ行きたいと思っていました。

ACE主催オーガニックコットン栽培の現地視察ツアーは、2016年以来3年ぶりの開催でした。
(そして、この回を最後に開催されていないようです)
大学生、繊維企業、インテリア企業、フェアトレードショップ、教授など多方面から参加者が集まっていました。

空港は深夜到着でしたが、施設内はものすごく視界が悪く、その年最大の光化学スモッグ発生が報じられていました。

翌日は、バスで数時間揺られ、ピースインドプロジェクト本部への訪問、そしてジン工場へ向かいました。
現地では、オーガニックテキスタイル国際認証団体のひとつであるテキスタイルエクスチェンジのアンバサダーを務められていた稲垣氏など専門家も引率者として加わりました。

 

ジン工場では、収穫された綿花の、綿と種を分ける設備があり、分けられた綿を圧搾しベールという俵のような単位に加工されます。
1日の生産量は、350ベール×170ポンドの総計51トンもあるそうです。
ハーモネイチャーのベランダコットン栽培では、スタッフが手が痛いと言いながら綿繰りを行いましたが、
商業ベースになると、こんな大規模な設備になるのかと驚きです。

 

近隣の小規模なジン工場では、手でローラーを回すジン設備を使っているところもありました。

3日日からは、いよいよオーガニックコットン栽培の現場訪問です。

 

プロジェクトでは、村の全面協力を得たうえで、綿花栽培を有機栽培へ転換して収益を上げたり、女性にミシン縫製などの技術を教え稼げるようにしたり、子供には学校へ通えるようにと、
様々な取り組みを行っていました。

人口2000人程の小さな村で約70%がコットン農家でしたが、プロジェクト支援が終了間近でもあり、そのうち90%がオーガニックコットン農家となっていました。

村長に話を伺うと、

「農薬を吸ったりしなくなったので、村民が健康になった。
 以前は収穫時に茎や葉が肌にあたると、荒れて非常にかゆくなるのが普通だった。
 我々は先祖から頂いたきれいな土地を農薬などで汚染してしまった。
 子どもたちにはきれいな土地を渡していきたい。
 この取り組みを誇りに思っている」

と、涙ながらに話してくれました。

 

まだまだインドのコットン栽培の多くは、農薬や遺伝子操作した種が使われています。
健康を害し、農薬を買うために借金をして、不安定な収入で自殺に至ってしまう人が後を絶ちません。

オーガニックコットンを支持していく私たちの活動は、こうした現状を少しでも変えていくことにつながっていることを改めて実感し、身が引き締まる思いになりました。

 

最後の日程には、紡績や縫製工場の視察がありました。

綿繰りされた綿のかたまり(ベール)から、数々の複雑な工程を経て、ようやく糸に仕上がっていく様子は、圧巻です。

各機械の音も非常に大きく、工場を出ると耳が一瞬遠くなったような感覚になってしまう程でした。

 

手紡ぎしていた時代から、たくさんの発明や改良がなされてきた結果、現在のようなものになり、
私たちは「糸」を気軽に買うことができるようになったのですね。

コットンは、栽培~収穫という農産物として農業の部分と、原綿~糸~生地そして縫製など工業の長い工程を経て、はじめて私たちの手に渡ってきます。
オーガニック栽培されたものをきちんとトレースする認証の仕組みが進んできたことで、安心して「オーガニックコットン製品」をみなさまにお届けできています。
先人たちの多大な労力そしてたゆまない努力に感謝の気持ちを持ち続けて、ハーモネイチャーを運営していきいたいと思います。

興奮冷めやらぬうちに帰国となった充実の視察でした。

 







第11話 | ついにインドへ

現在登録されている商品はありません。

BRAND LIST

オーガニックコットンブランド

Copyright © harmonature All Rights Reserved.