第10話 コットン栽培はじめよう

2016年春
コットン・綿のことは、座学的には勉強していましたが、実際に栽培を行ってみたいと思いました。

当時オーガニックコットン協会が配布していた綿種を入手して、実験的な栽培を始めてみようと考えました。
畑を借りると大規模(種も大量に必要)になってしまうため、まずは事務所のベランダで開始することになりました。

本来コットンは、暖かな気候の広い大地で太陽の光をたくさん浴びて育つ環境が良いとされています。
しかし、事務所のベランダは東向きで、朝は日が当たりますが、昼くらいになると陰になるため、あまり良い環境とはいえません。

実験的な栽培が目的でもあるので、テーマは、
「気軽に栽培する有機栽培系コットン」
としました。

オーガニックコットンと名乗るには、公的な認証機関によって認証される必要があります。
その厳しいプロセスは、商用ベースに流通させるためのものでかなりハードルが高いものです。

まずは、一般の人が気軽に、安全に環境に配慮したコットンを作ってみようという趣旨にしました。

スタッフも実際のコットンを栽培するのは初めてなので、みんながいろいろなこと知るよい機会にもなると思いました。

一般の有機肥料を使った土作りから始まり、5月初旬に撒いた種は、早いものは7月後半には花が咲き始めます。

実ができて、コットンボールがはじけ(開じょ)、9月~11月は収穫期を迎えます。
中には、年が明けてから開じょするものもあり、収穫期が長いのに驚きました。

お米や他の農作物とは異なり、一斉に咲いて、一斉に収穫とはならないのです。
そんな性質もあり、通常のコットン栽培(オーガニックコットンではない)では、ある程度までコットンボールが育つと無理やり枯葉剤などで枯らしてから、一気に収穫するという方式をとっています。

また、栽培中は、いろいろな害虫に注意しなくてはなりません。
葉巻虫やアブラムシをはじめ、得体の知れないものが発生することがあります。きっと虫にとっては、とても美味しい植物なのですね。

それゆえに、通常のコットン栽培では、大量の殺虫剤を使用しています。

枯葉剤や殺虫剤が大量に使用されることで、これらに携わる人々の健康被害が絶えないのが現状です。

 

収穫したコットンは、ワタの部分と種に分けます。
ワタは、紡績⇒生地⇒縫製の工程へ進みます。
種は、飼料や綿実油の原料になっていますが、(本来は)翌年の種としても保存されていました。

しかし、商業ベースのコットン栽培では、その種は遺伝子操作などで2年目以降の収量は著しく劣るように作られていて、毎年新たに種を購入することになっています。

実はコットンはもともと多年草になりますので、次の年も枯れた(ように見える)枝から芽が出てきます。
ハーモのベランダ栽培でも、3年も越冬したコットンの株がありました。
(一度失敗して枯らしてしまったので、4年目はなかったのですが...)

現在では、常時5~6種類のコットンをベランダで栽培し、愛媛県のスタッフ所有の畑でもコットン栽培を開始しています。やはり、畑は育ち方が良いですね。

毎年、出来栄えも異なり、一筋縄にはいかないという農業の大変さを少しだけ実感しています。

さらにオーガニックコットン栽培について詳しく知りたい方は、「オーガニックコットンとは」のコンテンツや「コットン栽培日記」「インスタグラム」も併せてご覧ください。


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